ウエダがウエダであるために

お盆前、業界を騒然とさせた驚愕のニュース。

UFMウエダ 会社解散。

様々な憶測、無責任な情報がネット上で飛び交い、いつのまにか「解散」が「倒産」という形で広まってしまった。

では、事実はどうなのだろう?
誰もが気になっているだろう。

御存知の通り、UFMウエダは「国産ブランク」に強い拘りを持って、数々の銘竿を世に送り出してきた、我が国屈指のルアー・フライロッドメーカーである。

そのUFMウエダが、何故解散しなければならなくなったのか?

それは、「良質の国産カーボン繊維が入手できなくなった」=「UFMウエダのロッドが作れなくなった」からに他ならない。

ここ数年、宇宙開発、航空関係で大量のカーボン繊維が使われるようになり、国内のカーボン繊維メーカーは生産が追いつかない状況に追い込まれた。その結果、海外へ工場を移し、安価なコストで大量のカーボン繊維を生産する方向へと流れた。
何十年もの間、UFMウエダに材料を供給していたメーカーも例外ではなく、その拠点を海外へと移し、今年8月をもって国内の工場を閉鎖することになった。

つまり、8月以降は材料の供給がストップし、ロッドの製造がままならなくなるのである。

国外製ブランクを使えばロッドの生産はいくらでもできる。しかし、あくまで国産の選び抜かれた良質の素材に拘りたいUFMウエダは、クオリティを落とすくらいならば製造販売を止める道を選んだ。
それは「ウエダがウエダであるため」の唯一の選択であり、国内トップメーカーの誇りを守り抜いた結果。最高のロッドを作り続けたUFMウエダは、頂点に立ったまま、50余年の歴史に終止符を打つのである。

日本製の良質ブランクが消滅したことで、今後もウエダ製品のクオリティを超えるロッドが登場することはないかもしれない。

気になるアフターについてだが、8月31日の解散後はアフターのみの営業になる。今まで通り、保証期間内の製品、及びその他の修理を受付するが、2ピースロッドに関してはバット部分の供給が不可能、またワンピースロッドも折損の場合は供給が不可能になる。ガイド抜けやガイド交換など、ブランクに関係しない修理は今まで通り受け付けてくれる。
ロッドによってはパーツの供給が可能な場合もあるので、まずは小売店経由でウエダに連絡してみるのがいいだろう。

「この先、どこのメーカーを使いますか?」
何人もの業界人から訊かれた。

ウエダのロッドとともに歩んだ30年近い年月。そして西村氏と共に歩んだ15年。
たとえウエダが無くなっても、自分の中ではウエダ以上のロッドなどない。
今日も明日も明後日も、くたびれて使えなくなるまで、ボロボロになって形が無くなるまで、ずっと自分はウエダを使い続けるつもりだ。

1年が経過したら、修理もできなくなる。だから、折損だけは避けたい。
折損率を下げる方法は意外に簡単。
「魚がヒットしたら、ロッドを立てずに横に寝かせる」
たったこれだけで、折損率は1/3に減る。
オフショアの場合も同じ。ラインとバットが90度以下の角度にならなければ、折損率はかなり低い。

さらばUFMウエダ。そしてたくさんの想い出をありがとう。

カテゴリー: ご案内, UFMウエダ — tazawa 10:27 PM